

音楽療法ネタ帳
2025/3/7
更新日:2025年3月23日
春の訪れを感じる季節にぴったりな歌、「春が来た」(作詞:高野辰之 / 作曲:岡野貞一)🌸
コチラでも「春が来た」について触れてきましたが、今回は1曲での活動バリエーション・展開例をご紹介します!
①歌詞あてクイズ、②母音で脳トレ&口腔体操、③合奏、④手話歌など、多角的なアプローチで、高齢者の方が楽しみながら心身機能UP!を目指す、音楽療法士・作業療法士マツダのネタ帳です。
「春が来た」は、シンプルな歌詞と繰り返しが特徴的。クイズとして簡単。答えていただいた後「あっっと言う間でしたね…隠した意味がなかったーーー!!(泣き笑い)簡単過ぎましたか!?」と言うことも。クライアント・グループによって、隠す場所や分量を調整するのもポイントかと。歌詞を思い出すことで、記憶を刺激し、脳の活性化につながります。ワクワクする要素もGood!
「春が来た」の場合、①歌詞の一部を隠す、②1番だけその場で書く、の2パターンが多いです。
①では例えば、以下のように隠して、答えが出たらめくっていきます。例え答えが違っていても「近いです!」「惜しいです!」とレスポンス。
②の場合は、「歌いはじめ、どんな感じでしたっけ?」などとお声かけすると、歌ってくださるので、「そうでしたね!」とホワイトボードに書きます。もし出なかった場合は適宜「◯◯でしたっけ?」とヒントを出したり、「何でしたっけ…ちょっと虎の巻見ます!」と(分かっていても)楽譜を確認してからヒント出したり。

↓歌詞はこちら↓

3番だけ絶妙に規則性をやぶってくるのがミソ。
クイズの後、「どんな時に春を感じますか?」「春の花といえば」「春の鳥といえば?」「山といったら、どこが思い浮かびます?」「山登りしましたか?」などと会話・回想を促してから歌ったり。クイズの後に歌ってから→会話・回想→その話題から次の歌へ、となったり。
春の花、鳥、山などの写真やグッズを用意しておきます。
「春が来た」の歌詞には、「あ・い・う・え・お」がバランスよく含まれています。かつ、ゆっくりはっきり歌いやすいい歌詞・リズムです。発声練習として、一音ずつ強調して発音することで、口の動きを大きくし、口腔機能の向上につながります。また、歌いながらの運動や、不規則な部分で身体活動(手拍子・足踏み)をすることは、運動機能・認知機能・情動面に多面的な効果をもたらすと言われています。

わたしが良く行うのは、例えば「母音が"a(あ)"のところで手拍子」をする、という活動。皆さんが、歌詞を見なくても歌えるような、よくご存知の曲で行っています。
1番のみ歌詞想起、書き出す(ひらがな)
母音"a(あ)”探し・赤丸つけ:
「口を大きく開けて歌うと見つけやすい」と促す
歌いながら母音"a(あ)”の部分で手拍子
母音"o(お)”探し・青丸つけ
歌いながら母音"o(お)”の部分で足踏み
"a”で手拍子&"o”で足踏み両方トライ!
場合によってはさらに追加
✔️曲のよって、適した母音・組み合わせを選ぶ
✔️クライエントによって、難易度を調整する
✔️適宜「口をはっきり大きく動かしましょう!その方が(母音を)見つけやすいです!いつもの倍いや3倍大きく!」などと伝え、コチラも大きく動かす
✔️口腔機能訓練では、必殺「美容にもいい!!」と伝えるとより前向きに取り組まれるご婦人方が多い印象(私もそう)
✔️上手くできないと落ち込む方もいらっしゃいます。この活動は「ギリギリうまくできない位が1番脳血流がUPするんです!なので、わざと難しいことをやっています。脳も人ぞれぞれ得意不得意の個性があります。あえて苦手なことにチャレンジすると、脳はがんばります。なので、できない場合は『今、脳がめちゃくちゃ頑張っている!』と前向きに捉えてくださいね。」みたいなことを言います。このような説明・フォローは、とっても大事。
①母音「a(あ)」を探そう
「母音が『a』=口が『あ』の形になるところを見つけてください!」と言い、出てきた部分に赤で丸をつける。※お元気なご利用者様に丸つけを担当していただくこともあります

②母音「a(あ)」で手拍子をしながら歌おう

③母音「0(お)」を探そう

④母音「o(お)」で足踏みしながら歌おう

⑤両方トライ!

⑥応用編:母音「i(い)」を探そう

⑦母音「i(い)」で膝をたたきながら歌おう

⑧「a(あ)」「i(い)」両方トライ!

⑨「a(あ)」「i(い)」「o(お)」全部トライ!

※普段⑨までやることはほぼありません。母音1つのみか、やっても2つまで。3つまでやったのは、地域の介護予防教室でした。2つまでがかなりできていたので、更に応用に行きました。
色んなバリエーションが組める!という引き出しがあれば、グループや日によってアレンジできると思いますので、今回は難しい応用パターンもご紹介しました。
「今週は"あ"で手拍子、来週は"い"手拍子」などと展開するのもアリです!
私自身は、実は「春が来た」で合奏することはあまりないのですが、同様の手法で他の曲も合奏していますので、今回はこの曲を例にご紹介します。
高齢者は、声が低くなり高音が出にくくなる方が多いため、キーを下げることが多いです(なるべく最高音をドより低く設定)。
「春が来た」のオリジナルキーは恐らくC(ハ長調)ですが、それだと最高音がミになりメチャ高なのでGで弾いています。
合奏も、クライエント・グループによって、負担なく気持ちよく演奏できる方法・難易度に調整しています。
※今回は和音合奏のご紹介とし、アドリブや5音音階を使った使った合奏についてのまたいつか!
和音合奏は
Ⅰの和音のみで合奏
ⅠとⅤの2和音での合奏
ⅠとⅣとⅤの3和音での合奏
の3パターンが多いと思います。
【春が来た:合奏ガイド】

色分けは音楽療法士によって異なると思います(興味深い!)。
私は基本的にこの色分けでやってきました。
太めのビニールテープをこのように貼るのがマツダスタイル。

①Ⅰの和音のみの合奏

②Ⅰ・Ⅴの2和音合奏

③Ⅰ・Ⅳ・Ⅴの3和音合奏

楽譜通りの伴奏ではなく、演奏のしやすさ・出番のバランスを見て、調整しています。
また、「『さくらさくら(Am)』や『荒城の月(Am)』も前後で合奏したいな」という場合は、「春が来た」は(A)にして、ラ・ミの2音のみ、という合奏パターンもあります。
ゆったりした短い曲は手話歌もおすすめです!有名童謡唱歌の手話は、だいたいYouTubeに載っています。
複数の動画・資料を見比べて(動きが違うこと多々あり)、複雑&早い動きにならないよう取捨選択・間引いたり調整してセッション用手話歌を用意しています。
↓「春が来た」はコチラの内容が参考になりました↓
◾️なかたひろみ HIROMI NAKKATA | はるがきた(YouTube)
スマホに大量に残っているメモから、ある日のネタ・プログラムをそのままご紹介。

病院(認知症疾患医療センター)勤務時代のネタ帳でした!
◾️曲目:花、春よ来い・春が来た、南国土佐を後にして、男はつらいよ、朧月夜
病院には大きな風船があり、ゲームなどでよく使っていました。
↓こういうもの(病院のはもう少しお高い)↓

覚醒・反応・注意がイマイチな方に、この風船はとても良くて。つい目で追う、つい手が出る=覚醒・注意・反応UPにつながりやすかったのです。しかも嫌々ではなく。ちょっとテンション上がる方が多いんです。ビッグ風船。いい仕事をしてくれていました!膨らますが大変でしたが!(病院でははじめ手動→電動空気入れ導入されました)
→病院外での音楽療法仕事でも使いたくてAmazonでポチりましたもの(笑)
「花(春のうららの)」の音楽を流して、歌える方は歌いながら、桜に見立てた風船(ピンク・白)を飛ばしましょう!…と行った記憶が残っています。
自分の記録にしつつ、どなたかのお役に立てば幸いです。そろそろ4月のプログラムまとめます!



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著者
マツダ サチコ
日本音楽療法学会認定音楽療法士、作業療法士、社会福祉士。介護老人保健施設や認知症疾患医療センター、訪問事業所にて勤務。ダブルケアを経て、現在はWebマーケティング・制作会社にて勤務、ディレクションおよび制作を担当。個人事業としてもWeb制作、音楽療法を行なっている。
著者
マツダ サチコ
日本音楽療法学会認定音楽療法士、作業療法士、社会福祉士。介護老人保健施設や認知症疾患医療センター、訪問事業所にて勤務。ダブルケアを経て、現在はWebマーケティング・制作会社にて勤務、ディレクションおよび制作を担当。個人事業としてもWeb制作、音楽療法を行なっている。
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